2020年01月04日

パン・ド・ロデヴ「技術講習会」および「食べて楽しむ会」in 東京

2019年11月26日
パン・ド・ロデヴ「技術講習会」および「食べて楽しむ会」in 東京

■ 第42回「技術講習会」および第59回「食べて楽しむ会」開催
8年目をスタートした本会。秋の深まりとともに年1回の恒例の仁瓶さんの会を、東京・飯田橋のカネカ食品さんのラボで開催しました。
朝8時45分。挨拶が終わるや早々にロデヴの仕込みのデモンストレーションからスタートです。そのオートリーズの間に、前夜に仕込んでいた手混ぜのリュスティックのパンチ。
「生地に触ってみて」と、促しながら「多加水のパンが流行っているが、俺は成形しない生地がなぜ、こんなにも膨らむのか、そこがおもしろくて追究している」と技術講習会の視点を教授するところから1日が始まりました。
参加者の皆さんには、パン・オ・ルヴァンの試食も配られ、ルヴァンのみのパンの味わいも体験できました。
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会場で、毎年仁瓶さんの右腕になってフォローをしてくださるのは同社の山ア隆二さん。その他たくさんのスタッフの方々がサクサクと気持ちよく脇を固めて下さり、講習会はスムーズに進みました。
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パンが焼きあがったら、いよいよ「食べて楽しむ会」のスタートです。
その前に、カネカ食品さんのスタッフの方々は、料理を準備するキッチンルームでも大活躍。材料を切ったり鍋に詰めたりと、積極的にセンス良く手助けしてくださいました。

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今回の料理の指揮を執ってくださったのは、食べるよ会員のエドガー朋美さん。サツマイモは鳴門金時(栗きんとんに使われる品種 徳島産)を使ったポタージュスープや、サラダにかけるオリーブオイルまでこだわった準備を重ね、京都リンデンバームから届いたシャルキュトリーも美しく盛り付けてくださいました。
メインディッシュは、フランス・アルザスの煮込み料理「ベッコフ」です。リンデンバームの吉田さんがマリネしておいてくださった牛、豚、羊の肉にジャガイモ、ニンジンを加えて蓋をし、鍋の口をパン生地でふさぎ、パン屋の捨て窯で何時間もかけてゆっくり煮込む。


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かつて、家庭の主婦が鍋ごとパン屋に持ち込んで頼んでいた家庭料理だと言われています。

また、チーズは秋を告げるモンドールをスプーンサービスするほか、昨今力をつけてきて国産チーズの協賛もありました。最後にはカネカ食品さんから、「味と食感を大切に」新発売したという、なめらかなヨーグルトが供されました。


さて、おなかが満たされたら、お楽しみの仁瓶さんセミナーです。
今回は仁瓶さんの思いから、予定していたフランスのパンだけでなく、パン全体についての興味深いお話が時間いっぱい繰り広げられました。

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添加物に頼るパン作りの職人姿勢、天然酵母の対抗にイーストを置いて天然酵母という呼び方で崇拝する風潮、さらに古代小麦ブーム、国産小麦信仰がやまない現実など、科学的真実を分かってないのに分かったふりをして偏っていくパンマニアや、それを安易に広めるマスコミに対する批判が舌鋒鋭く、ときにユーモアも交えながら展開されました。特筆すべきは、それらの批判にはどれも驚くほど詳しく、複数の根拠・視点が集められていたことです。これは今まで仁瓶さんの無数の意見・愚論と戦ってきたからこそ手に入れた視点でした。ドンクを勇退されラトリエ・ドゥブテイユを設立して以来の研究・探求の成果は、この短い時間ではとても吸収しきれませんでしたが、ロデヴの会では一人でも多く、1つでも多く届けられるよう、お話は続けていただくつもりです。
パンを生涯の伴侶にされる方、あるいは食べ物の真実にご興味のある方は、仁瓶さんをキーワードに検索していただき、これから神戸、三重などでも予定されているロデヴの会にもぜひ、おいでください。
                          (報告: 松成容子)
posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 15:58| Comment(0) | 2019年度

2019年11月20日

「食べて楽しむ会」in 横浜

2019年11月6日
パン・ド・ロデヴ「食べて楽しむ会」in 横浜

■ 第58回「食べて楽しむ会」開催
晩秋の夕陽が4つの箱を重ねたデザインの「ヨツバコ」ビルを照らし始めるころ、「めっちゃおいしい料理とロデヴの組み合わせ」にファン殺到で、今回も即日満杯となってしまった「ベッカライ徳多朗 ヨツバコ店」でのロデヴの会が始まりました。


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午後4時。徳永久美子さんが焼きあげたロデヴが次々と並び始めます。いつものプレーン、クルミに加えて今日だけのリンゴ、チョコ&カカオニブ、ヘーゼルナッツ&黒胡椒の5種類。
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今回の会場づくりや料理サービスの方法には、お店のスタッフさんたちの提案が随所にちりばめられています。
基本は、参加者のみなさんが一か所に座り続けず、動いて、いろんな人と話をしてもらいたい。そして料理はできる限りお客様のそばで出来立てを届けたいので、ロデヴのそばにコンロをもっていって温めながらスープを注いだり、混ぜたてのサラダを取り分けたりできるようなセッティングをと考えて下さました。参加者はそこまで自分でとりに来てもらう、というイメージです。

さて、いよいよ乾杯。中身は季節を反映してちょっと甘めのホットワイン。これもお店の方からの提案です。乾杯のご発声は、ベッカライ徳多朗社長であり、ロデヴの作り手である徳永久美子さんのご主人、徳永淳さんにお願いしました。
「来年は30周年を迎えるという今年の春、それまでスポーツばかりしていた息子がいきなりパン屋になると宣言をして入ってきました。伝統をつないでいけるというのは、うれしいことです。」とあいさつ。お店のファンの方々の熱い拍手に包まれました。

二重カップの心遣いがうれしいホットワイン
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あいさつに立つ徳永社長と息子の将生さん



まずは、ロデヴの会お決まりの「一口目はプレーンのロデヴから。」今回は初めての参加者も多く、とても興味深そうに面白がってこの儀式に沿ってくださいました。
 
 さて、いよいよ料理をいただきましょう。今回のテーマは「12月にロデヴと一緒にあったらいいもの」です。
ロデヴの隣に並んでいるのは、アツアツの真っ赤なボルシチ、ペーストは緑のブロッコリーとキノコの2種類、さらにビーツ入りフムスもあります。
ロデヴをクルトンにした「まさくんのベーコンと季節野菜のサラダ」はなんと、徳多朗2代目「まさおくん」のご提案。それも「お客さんのそばで混ぜようよ」という演出提案もあったそう。緑に呼応して赤いのはビーツと人参のラペ。お皿を持って順に歩いていくと、盛り付けも大胆にしてくれます。

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きのこのペースト                ブロッコリーのペースト
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お腹には、ロデヴを詰めて焼きました。
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メインディッシュには「徳永家のローストチキン」が登場。鶏のお腹にはロデヴが詰め込んでありました。肉汁を吸って、ロデヴの生地であればこそのしっかりとした存在感と美味しさに大満足です。この日は16羽も焼いたそうです。
食べるのに一生懸命になっていると、後半、チョコ入りロデヴが配られます。そのすぐ後に「マスカルポーネを添えるとよく合うんです」とこれまたダイナミックにのせて歩いてくださるサービス。スタッフの方々が、自ら試して美味しいと思うからこそ自信を持ってどんどん勧めてくださる、その実感が伝わってきます。となると、いただくほうはお腹の都合とは関係なく、とにかく美味に天を仰ぐばかりです。
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それなのに、とどめのデザートは赤ワインジャムとソフトクリームに、ロデヴのスパイスラスク添え。うわぁぁと驚きつつも「食べないという選択肢はない」のです。

こんなごちそうの合間には、久美子さんのロデヴ話。「売り上げにはならないパンです。けれど、こういうパンを焼くと、売り上げに追われる日々のストレスが解消される。パンの作り手にとってそんなパンです」「そして、それを自信のなかった私に自分で焼いたほうがいい、と背中を押してくれたのが仁瓶さんなんです」。


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見よ、このデザート


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ロデヴはいま、フランスより日本がおいしい・・・と仁瓶さん



最後に、この日は大きなオマケが配られました。なんと、久美子さん直筆の「今日の献立のレシピ集」です。「おうちでもロデヴを美味しく食べてほしいから」という久美子さん。これ以上、ロデヴを食べ手に熱烈におすすめしてくれるお店がほかにあるでしょうか。
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レシピ片手に料理を説明する久美子さん                


一人の熱中する背中を見て、そばにいる人がその熱に呼応する。参加者の中にはリピーターの小学生もいて「いろいろなロデヴの食べ方が知れてよかった」と感想を残してくれました。さらに久美子さんがパンを教えに通っている近くの小学校には久美子先生の夢である「ロデヴを広める」応援団の4年生たちがいるとのこと。
なんと、なんと、が続いてしまうレポートとなりました。 
                          (報告: 松成容子)
posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 20:58| Comment(0) | 2019年度

2019年11月16日

パン・ド・ロデヴ「7周年記念パーティ」&「技術講習会」in 北海道

2019年10月21日(月)22日(火)

パン・ド・ロデヴ「7周年記念パーティ」&「技術講習会」in 北海道


2019年10月、上空から見下ろす北海道はまさに紅葉の真っ盛り。旭川空港から走るレンタカーのラジオからは「今年も鮭が不漁」「増えすぎた鹿と車の衝突事故、さらに多発。要注意」と北海道らしさ満杯のニュースが流れます。

そんななか、美瑛の小麦の丘の上にある元小学校を改造した「レストラン・ビブレ」で
10月21日の夕方に7周年パーティ、翌22日には当会技術顧問のブロートハイムの明石克彦さんと、ビブレのパン担当・小川久雄さんによる第41回技術講習会を開催しました。

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レストランのビブレでは毎日、夕食後のデザートに揚げロデヴのきな粉味が登場するそうです
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◆ 7周年記念パーティは「トクベツ」でした

21日、夕方5時からのアペリティフタイムは、フランス製薪窯のあるパン工房で、翌日講師の明石さんが焼いてくださったロデヴとシャンパーニュで始まります。その後、移動してレストランへ。ここは小麦の丘のレストランらしく、眼下に刈り取り後の麦畑が広がっていました。
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乾杯の発声は、「自分の店はトクベツなものを届ける店でありたい」という、北海道ミシュランで星を持ち、この店のオーナーでもある中道博シェフにお願いしました。「トクベツな思いを込めて作ったものは、人にも伝わるはず。ロデヴのパンもそうですよね」という心に残るお祝いの言葉に続いて、仁瓶さんは「自分はA社にもP社にも負けないオリジナルのパンとしてD社でこのパンを作った」と話し、明石さんは「ロデヴを全国に、と始まった会だけど、ひょっとしたら特別な存在のままのほうがいいのかもしれないと思う」と逆転の発想。そして金林さんは帝国ホテルでロデヴ販売を挫折した話を披露したあと「ホップス種の食パンと、このロデヴが作りたくて、いま、パン屋をやってます」と不屈の思いを聞かせてくれました。
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その後、料理は中道氏の指揮のもと、パテ・ド・カンパーニュ、ラタトゥユ、ピクルスに焼き野菜、特別な小麦粉で作った皮の水餃子、そして暖炉の直火で焼き上げたスペアリブまでそれぞれダイナミックなプレゼンテーションでサーヴィスされました。

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最後に、窓の外を説明してくださったのは、このビブレでフレンチの料理人を目指す若手指導の塾長である齋藤壽氏でした。「眼下の麦畑は、荒れ地だったところにひまわりや様々なものをすきこんで、5年かけてやっと今年初めて“春よ来い”の収穫まで持ってこられた。これでやっとここ“リブレ”がその言葉通り“小麦”、つまりパンの原形を追える場所になったのです」。
 この日はすでに刈り取り後でしたが、7〜8月の収穫前には青々とした麦が風にそよぐ風景が見られるとのこと。ここには宿泊施設もあるので、機会があればぜひ、ゆっくりと初夏に訪れたい場所です。
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◆さて、翌22日は第41回目の技術講習会です。
 明石さんはこの日、ロデヴのプレーン、フリュイ、オリーブに加えパン・オ・セーグル、ルバーブのタルトも披露。
いつものように「ロデヴはイーストとルヴァンの良さを生かした特別のパン」と話しながら「スープのような生地」を目指していきました。また、「セーグルの入ったパン」の2日目、3日目の応用など、お店でできる工夫もいくつもお話されました。
講習会1.jpg薪窯にパン・オ・セーグルを丹野氏とともに入れる明石氏

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パン・ド・ロデヴ フリュイ           ロデヴのいろいろ

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講評のひととき


一方、ビブレの小川さんは、「手ごねで作るお焼き風ロデヴ」と「手ごねのカンパーニュ」の2品を紹介されました。これらは今年3月にルレ・エ・シャトーのイベントで鹿児島の天空の森で実作されたもので、前者はエグヴィヴの丹野隆善氏が考案したものの再現、後者は小川氏自身が工夫したものでした。
 鹿児島のイベント会場はミキサーはじめ製パン機材も気密性の高いオーブンもない環境だったとか。そこを工夫して手ごねで弱く仕上げたロデヴの生地をマフィン型に入れて白っぽく焼き、取り出して、別に焼き込んでおいた溶岩プレートの上で上下面を焼いて仕上げるという手法。ただし、今回は溶岩プレートではなく窯の床材を直火で熱して使いました。そして、できたお焼き風ロデヴは横から二つに割り、セルヴェル・ド・カニュ(香草入りディップ)を挟んで鹿児島でのアミューズを再現してくださいました。

また、蒸気も出ず、気密性の高い窯がなかったことからカンパーニュはダッチオーブンで鍋焼きにしたとか。生地を入れた鍋に蓋をし、密閉された鍋の中に蒸発する水分を水蒸気代わりにし、ある程度蒸気がのったら焼き色を付けるために蓋を外します。今回はその再現と、直焼き(四角の大判)の2種類が紹介されました。

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手ごねを実演する小川久雄氏

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半分に割って「セルヴェル・ド・カニュ」を挟んでアミューズに  

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ビブレという小麦に縁のある場所で、パンの材料だけでなく、いまのようなオーブンのない原点に戻っての工夫。一方でブーランジェとして熟練の明石さんの技と日々営業の知恵まで学べた濃い1日は、こうして北海道の地で「トクベツ」の思い出を参加者たちに刻むことができました。
(報告:松成容子)





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