2020年10月20日

「おうちでロデヴ」企画で、パン・ド・ロデヴの宅配

コロナ禍で、2020年3月三重県いなべ市、4月東京ブロートハイム、4月神戸、5月群馬での講習会や食べる会を延期せざるを得ない状態になりました。さらには5月に予定していたフランス・アンジェとロデヴへの研修旅行も延期に。

そこで今回は舞台をみなさんのご自宅にうつし、「おうちでロデヴ」企画と題し、冷凍の宅配便を利用した企画に変更しました。ご家族や近い方とロデヴを楽しんでいただこうという趣旨です。
パン・ド・ロデヴや他のパンを焼いてくださったのは、当会技術顧問の仁瓶利夫さん、明石克彦さん、金林達郎さんのお三方です。
緊急事態宣言は開けたものの、まだまだ外出には気を遣う7月のこと、会員さん宅にたくさんのパンが届きました。

今回は、みなさんからのお声で、レポートをお届けいたします!

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兵庫県Mさん
昨日明石さんのロデヴセットが届きました。
今朝は早速ロデヴプレーンを頂きました。
さすがの美味でした。他のパンも楽しみです。
良い企画をしていただき有難うございました。
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埼玉県Tさん
金林さん、明石さんからのロデヴ受け取りました。
美味しく頂戴しました。
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兵庫県Iさん
先ほど、金林さんの「おうちロデヴセット」が無事到着しました。
ものすごく沢山でびっくりしております。
…どうしよう。イカリに走ろうかな。
今、うちはチンジャオロースーの材料しかありません…。
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Kさん
本日、仁瓶さんの「おうちでロデヴ」のパンが届きました。
沢山のパンとそしておまけが沢山で、ウキウキします。
可愛いパンの絵のショッピングバッグはどちらのバッグなのでしょうか。
仕事もリモートで外出がなかなかできませんので、じっくり楽しみたいと思っています。
しばらくは冷凍庫がいっぱいですが、またぜひ企画していただけたら嬉しいです。
この度は本当にどうもありがとうございました。
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大阪府Oさん
ワクワクしながら開けると大きな箱に中から一杯の仁瓶さんのパンと自筆のメッセージ、色々なプレゼントが入っていて感激でした光るハート
当日は息子の第二子のお宮参りで帰ってきたらパンが届きお嫁さんとワクワクしながら開けました。お嫁さんもパン好きなので分けて持っていきました。(下の子と近くの実家滞在)
上の子は息子と我が家に居るので、硬いパリパリのパンが大好きなので大喜び❣️にこにこ
私も久しぶりの仁瓶さんのパンを毎日少しづつ楽しみながら食べてます。
孫のダイナミックに、満足そうに食べてる写真を同封しますカメラ
いつも解凍するのが待てずに「このままでいい️このまま冷たくて硬いのが好きなの❣️」と言ってかぶりつきますにこにこ
食べてる間に他のを温めると「パリパリで美味しいにこにこ!️」と言って焼き立てもバリバリ食べてます。
こんな企画をして頂きありがとうございました。コロナ禍の中安らぎのひと時をいただきましたキャラクター(万歳)
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兵庫県Nさん
この度は「おうちでロデヴ」企画してくださり、いろいろお楽しみボックスみたいにおまけの数々まで。個々のラッピングから、種類別シール、お手紙とたくさんお気遣いありがとうございました。
おかげ様で、我が家に関しましては単身赴任の主人が家におりましたので
いつも、話だけ聞かされていただけなのに、偶然このタイミングで
バゲット→リュスティック→ロデヴ
断面の色やらウンチクを語り、スライスして食べさせたら
「うまい!」と言うものですから(当たり前やけど)
「ほな、帰りの新幹線で食べれるようにカットしてあげるわ」(ちょっと恩着せがましく)持たせることができました。
大雨で新幹線がストップして5時間くらいかかったようですが、車内でささやかに味わえたようです。持たせたセットの写真とラインのやりとり、スクショしたので、素朴な感想ですが送ります。
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それから、Hさんとリモートでロデヴの会しました。
一仕事終えたばかりで、やれやれと思われていることとは思いますが、また次回、こんな企画があれば嬉しいです。ラップで包むとかお手伝いできることが有ればお手伝いします。
今回は「おうちでロデヴ」「家族とロデヴ」となり楽しませていただきました。お世話になりました。


三重県Kさん
コロナの影響でなかなか思い通りにならない毎日。
今まで普通だった事が出来なくなって、何とも落ち込む毎日に、幸せのパンが届きました。
仁瓶先生、たくさんのパンを焼いて下さりありがとうございました。
パンドロデヴの事務局の皆様、パンの宅配をして下さり、本当にありがとうございました。
ロデヴの会でないと、いただけない仁瓶先生のパンでしたので、自宅でたくさんの種類のパンをいただけるのは、本当に嬉しくて、私は大喜びです。
宅急便が来て、受け取り、箱を開けたら、たくさんの仁瓶先生のパンが丁寧に包まれ一つ一つ名前まで書かれてありました。
もう、そのパンを見ただけで感動です。パンですが、私達にとっては、大切な宝物です。
冷凍庫にしまいながら、どれから食べよかな?なんて。
早速、バゲットとリュスティックを解凍しました。軽く焼いていただきました。
きゃー!美味しい。やっぱりこれだ!と思いました。
パン本来の美味しさ。
simple is best
ハード系のパンなのにパンがとても軽く、カリカリで、クラストも分厚く無い。
クラムはしっとりしている。
食べても食べても、美味しくって、どんどん食べてしまう。
冷たいバターを挟むと、これもまた、美味しい。
何か、元気が出て来ました。
感動と勇気と元気を頂けるパンでした。
同封して頂いた仁瓶先生のお手紙やパンの説明文章、本当に有り難くて嬉しかったです。感動致しました。
たくさんのパンを焼かれるだけでも大変な中、一つ一つのパンの説明を書いて下さり、ありがとうございました。読みながら、パンを頂いております。
毎日、楽しみながら、パンをいただきます。明日の朝は何にしようかな⁇なんて。
明日は、職場の昼食にロデヴをパン好きの同僚と頂きます。
本当にこのような形で、ロデヴの会、初のパンの宅配を実現してくださり、皆さま、ありがとうございました。感謝しております。箱の中にはたくさんの感動と幸せが入っていました。
早く以前の日常が戻り、またロデヴの会でお会い出来るのを楽しみにしております。


静岡県Sさん
箱を開けると一つ一つ丁寧包まれ、パンの種類ごとにシールを貼られたパン達♪
大好きなロデヴはもちろんリュステイックやバゲット、パン・オ・ルヴァン・・・・
パンに付いての説明や、美味しく食べるための方法まで詳しく書かれていて
どれから食べようか迷ってしまいました(笑)
「食べる会」の時はお料理や皆様とのお話に忙しく、一つ一つのパンを噛みしめる事が疎かになりますが(笑)1人でパンと向き合い、ひとつづつ味わうのも幸せですね♪
他にもたくさんの品物を入れていただいて本当に有り難うございました。
美味しいパンを焼いて下さった仁瓶先生をはじめ、企画して下さった皆様に感謝感謝の思いです。
コロナで沈んだ心にパンの美味しさが沁みわたります。
おうちロデヴを申し込んだお友達から連絡をいただき、「美味しいね♪幸せだね♪」と久しぶりに話せた事も嬉しかったです。
早くコロナが収まり、皆様とお会い出来るようになるのが今の私の願いです。
本当に本当に有り難うございました。

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PS 仁瓶先生にパンをリベイクする為にだけオーブンに火を入れると言ったら笑われました


愛知県Tさん
もう、パン眺めてニヤニヤしてます。
これを独り占めしては、もったいない、仁瓶さんの事を、知ってもらいたいと思い、お盆に身内で披露しようと冷凍庫で眠らせてあります。
私も、そんなに仁瓶さんの事、皆様方に比べると詳しく知りませんが、
こーんな有名な方の、どこにも売っていないパンが目の前にあるんだぞ!
と身内に見せびらかしたいと思います。(上手に伝えられるかな?)
あっ、一緒にいただくつもりです。
何だか少しは落ち着くかと思っていましたが、コロナウイルス感染者が
全国的に増え続けていますね。
特に都会。大阪も深刻な状況ですね。名古屋も。
早くロデヴの会が、無事に開催されることを待ち望んでます。
パンセット、ありがとうございました。  


東京都Oさん
購入させていただいた『仁瓶さんのパンセット』を、職場の店長と製造チーフとで分けあいました。チーフは早速パンのご案内文を読みながら Bon Painを開き確認しておりました。店長も『わあ凄い!仁瓶さんがお元気そうで何よりですね〜』と喜びの雄叫び!
そういえば、時々仁瓶さんがこの場所で試作をされていたなあと思い出しながら麺台でパンを切り分け、各自持ち帰りおうちで楽しみました。
お陰様で夏の良い思い出が出来ました。会員の方々と再びロデヴを囲む日を待ち望みつつ…新型コロナの1日も早い終息を願います。委員会の皆さまもどうかご自愛くださいますよう。今後もよろしくお願いします。
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やむなく設定したおうちでロデヴ」企画でしたが、思いがけずたくさんの方々より感謝の言葉をいただき、事務局は励まされ、これまで過ごしてきたパンを囲む時間がいかに大切なものであったかを改めて認識しました。
posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 16:51| Comment(0) | 2019年度

2020年02月26日

技術講習会と食べて楽しむ会@横浜・ベッカライ徳多朗

2020年2月13日
パン・ド・ロデヴ「技術講習会」および「食べて楽しむ会」in 横浜


■ 第43回「技術講習会」開催
当普及委員会が発足した2012年、今回の講師のベッカライ徳多朗の徳永久美子さんは
まだ、ロデヴに出会ったばかりでした。それでも「こんな美味しいパンがあるんだ。これだけはぜひ自分で作り上げたい」と力強いスイッチが入って8年。途中、様々な物語がありましたが、「ロデヴを焼き続けなくては」という強い思いと周囲の励ましで、今回はいよいよ技術講師としての登場です。レシピは「仁瓶さんから教わったパン・ド・ロデヴ」。

 会場は、ベッカライ徳多朗ヨツバコ店の厨房です。店としてもスペースの制約があるためここでのロデヴづくりはオーバーナイトにせざるを得ないとのことですが、この日は早朝からストレート法でも仕込んで、両者を比較して見せてくださいました。

 講習中は、粉の選び方から道具の意味、生地の強弱の見分け方、一番難しい窯入れのタイミングなど、いままで蓄積してきた自身の経験とその答えを惜しみなく参加者に披露していました。

20200213_083739.jpg 生地も位置によって分割の仕方を変えます
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仁瓶さんにもらったという水差しを示しながら「使いやすい道具を選ぶ、そばに置くこと」の大切さを話す徳永久美子さん
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この日、オーブンをサポートしたのは長男で入店1年目の徳永将生さん


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オーバーナイトで作ったのはロデヴのプレーン、くるみ、チョコ。
この日のストレートはプレーン(左)とくるみ(右)
 

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プレーンは角形、くるみは長方形、端生地はひねって棒状に


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今回の講習会は二度おいしい企画。なぜなら、パンに合う料理で定評のある徳永さんのミニ料理教室もあったからです。

たとえば塩豚。豚肉の部位によってハーブを使い分けたり、どうしたら熱で縮まないか、塩味はどう浸み込ませるかなど、手のうちはすべてレシピを配布して明かされました。
このほかデモンストレーションはリエット、フレンチドレッシングなど細かなところも全部披露されました。
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■ 第60回「食べて楽しむ会」開催
さあ、ランチタイム。いよいよ午前中に焼き上げたロデヴと仕込んだ料理を前に、「食べて楽しむ会」の始まりです。
乾杯の音頭は久美子さん。乾杯の後はいつものように各テーブルを回ってカリフラワーにグラナ・パダーノチーズをすりおろしたり、パンのお代わりを勧めたり。心のこもったおもてなしを久美子さんともどもスタッフの一人一人が丁寧にしてくださるのもこのお店の特徴です。

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料理は低温で焼くローストポーク2種、白コショウがアクセントのリエット、菜花のドレッシング和え、塩ゆでカリフラワーをおろしグラナー・パダーノで。さらにくるみのロデヴをどっぷりつけて食べると最高の塩豚と4種きのこのスープ。ロデヴ生地を使ったピザスタイル2種、ロデヴ生地にアーモンドクリームとリンゴを載せて焼いたロデヴ・オ・ザマンド、ネーブルジャム、さらにソフトクリームのオリーブオイル掛けなどなど、マイクを使って久美子さんがレシピをコメントしてくれるのもうれしいおもてなし。
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そのうえ、今回は「支えるよ会員」のカネカ食品様から、ベルギーの技術を導入して作られている「パン好きの牛乳」と「ヨーグルト」の協賛があり、もうお腹いっぱい!!

最後は、ゲスト出演で仁瓶さんのパンよもやま話。塩分摂取の配慮、ロカボ流行への批判、ルヴァンと酵母の違いなど、パン好きのツボにはまる話で会は熱気を帯びたまま、お開き。徳永淳社長はじめスタッフの皆さんの生演奏のBGMで、参加者は後ろ髪をひかれながらも帰路につきました。
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posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 18:56| Comment(0) | 2019年度

2020年01月04日

パン・ド・ロデヴ「技術講習会」および「食べて楽しむ会」in 東京

2019年11月26日
パン・ド・ロデヴ「技術講習会」および「食べて楽しむ会」in 東京

■ 第42回「技術講習会」および第59回「食べて楽しむ会」開催
8年目をスタートした本会。秋の深まりとともに年1回の恒例の仁瓶さんの会を、東京・飯田橋のカネカ食品さんのラボで開催しました。
朝8時45分。挨拶が終わるや早々にロデヴの仕込みのデモンストレーションからスタートです。そのオートリーズの間に、前夜に仕込んでいた手混ぜのリュスティックのパンチ。
「生地に触ってみて」と、促しながら「多加水のパンが流行っているが、俺は成形しない生地がなぜ、こんなにも膨らむのか、そこがおもしろくて追究している」と技術講習会の視点を教授するところから1日が始まりました。
参加者の皆さんには、パン・オ・ルヴァンの試食も配られ、ルヴァンのみのパンの味わいも体験できました。
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会場で、毎年仁瓶さんの右腕になってフォローをしてくださるのは同社の山ア隆二さん。その他たくさんのスタッフの方々がサクサクと気持ちよく脇を固めて下さり、講習会はスムーズに進みました。
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パンが焼きあがったら、いよいよ「食べて楽しむ会」のスタートです。
その前に、カネカ食品さんのスタッフの方々は、料理を準備するキッチンルームでも大活躍。材料を切ったり鍋に詰めたりと、積極的にセンス良く手助けしてくださいました。

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今回の料理の指揮を執ってくださったのは、食べるよ会員のエドガー朋美さん。サツマイモは鳴門金時(栗きんとんに使われる品種 徳島産)を使ったポタージュスープや、サラダにかけるオリーブオイルまでこだわった準備を重ね、京都リンデンバームから届いたシャルキュトリーも美しく盛り付けてくださいました。
メインディッシュは、フランス・アルザスの煮込み料理「ベッコフ」です。リンデンバームの吉田さんがマリネしておいてくださった牛、豚、羊の肉にジャガイモ、ニンジンを加えて蓋をし、鍋の口をパン生地でふさぎ、パン屋の捨て窯で何時間もかけてゆっくり煮込む。


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かつて、家庭の主婦が鍋ごとパン屋に持ち込んで頼んでいた家庭料理だと言われています。

また、チーズは秋を告げるモンドールをスプーンサービスするほか、昨今力をつけてきて国産チーズの協賛もありました。最後にはカネカ食品さんから、「味と食感を大切に」新発売したという、なめらかなヨーグルトが供されました。


さて、おなかが満たされたら、お楽しみの仁瓶さんセミナーです。
今回は仁瓶さんの思いから、予定していたフランスのパンだけでなく、パン全体についての興味深いお話が時間いっぱい繰り広げられました。

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添加物に頼るパン作りの職人姿勢、天然酵母の対抗にイーストを置いて天然酵母という呼び方で崇拝する風潮、さらに古代小麦ブーム、国産小麦信仰がやまない現実など、科学的真実を分かってないのに分かったふりをして偏っていくパンマニアや、それを安易に広めるマスコミに対する批判が舌鋒鋭く、ときにユーモアも交えながら展開されました。特筆すべきは、それらの批判にはどれも驚くほど詳しく、複数の根拠・視点が集められていたことです。これは今まで仁瓶さんの無数の意見・愚論と戦ってきたからこそ手に入れた視点でした。ドンクを勇退されラトリエ・ドゥブテイユを設立して以来の研究・探求の成果は、この短い時間ではとても吸収しきれませんでしたが、ロデヴの会では一人でも多く、1つでも多く届けられるよう、お話は続けていただくつもりです。
パンを生涯の伴侶にされる方、あるいは食べ物の真実にご興味のある方は、仁瓶さんをキーワードに検索していただき、これから神戸、三重などでも予定されているロデヴの会にもぜひ、おいでください。
                          (報告: 松成容子)
posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 15:58| Comment(0) | 2019年度

2019年11月20日

「食べて楽しむ会」in 横浜

2019年11月6日
パン・ド・ロデヴ「食べて楽しむ会」in 横浜

■ 第58回「食べて楽しむ会」開催
晩秋の夕陽が4つの箱を重ねたデザインの「ヨツバコ」ビルを照らし始めるころ、「めっちゃおいしい料理とロデヴの組み合わせ」にファン殺到で、今回も即日満杯となってしまった「ベッカライ徳多朗 ヨツバコ店」でのロデヴの会が始まりました。


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午後4時。徳永久美子さんが焼きあげたロデヴが次々と並び始めます。いつものプレーン、クルミに加えて今日だけのリンゴ、チョコ&カカオニブ、ヘーゼルナッツ&黒胡椒の5種類。
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今回の会場づくりや料理サービスの方法には、お店のスタッフさんたちの提案が随所にちりばめられています。
基本は、参加者のみなさんが一か所に座り続けず、動いて、いろんな人と話をしてもらいたい。そして料理はできる限りお客様のそばで出来立てを届けたいので、ロデヴのそばにコンロをもっていって温めながらスープを注いだり、混ぜたてのサラダを取り分けたりできるようなセッティングをと考えて下さました。参加者はそこまで自分でとりに来てもらう、というイメージです。

さて、いよいよ乾杯。中身は季節を反映してちょっと甘めのホットワイン。これもお店の方からの提案です。乾杯のご発声は、ベッカライ徳多朗社長であり、ロデヴの作り手である徳永久美子さんのご主人、徳永淳さんにお願いしました。
「来年は30周年を迎えるという今年の春、それまでスポーツばかりしていた息子がいきなりパン屋になると宣言をして入ってきました。伝統をつないでいけるというのは、うれしいことです。」とあいさつ。お店のファンの方々の熱い拍手に包まれました。

二重カップの心遣いがうれしいホットワイン
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あいさつに立つ徳永社長と息子の将生さん



まずは、ロデヴの会お決まりの「一口目はプレーンのロデヴから。」今回は初めての参加者も多く、とても興味深そうに面白がってこの儀式に沿ってくださいました。
 
 さて、いよいよ料理をいただきましょう。今回のテーマは「12月にロデヴと一緒にあったらいいもの」です。
ロデヴの隣に並んでいるのは、アツアツの真っ赤なボルシチ、ペーストは緑のブロッコリーとキノコの2種類、さらにビーツ入りフムスもあります。
ロデヴをクルトンにした「まさくんのベーコンと季節野菜のサラダ」はなんと、徳多朗2代目「まさおくん」のご提案。それも「お客さんのそばで混ぜようよ」という演出提案もあったそう。緑に呼応して赤いのはビーツと人参のラペ。お皿を持って順に歩いていくと、盛り付けも大胆にしてくれます。

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きのこのペースト                ブロッコリーのペースト
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お腹には、ロデヴを詰めて焼きました。
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メインディッシュには「徳永家のローストチキン」が登場。鶏のお腹にはロデヴが詰め込んでありました。肉汁を吸って、ロデヴの生地であればこそのしっかりとした存在感と美味しさに大満足です。この日は16羽も焼いたそうです。
食べるのに一生懸命になっていると、後半、チョコ入りロデヴが配られます。そのすぐ後に「マスカルポーネを添えるとよく合うんです」とこれまたダイナミックにのせて歩いてくださるサービス。スタッフの方々が、自ら試して美味しいと思うからこそ自信を持ってどんどん勧めてくださる、その実感が伝わってきます。となると、いただくほうはお腹の都合とは関係なく、とにかく美味に天を仰ぐばかりです。
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それなのに、とどめのデザートは赤ワインジャムとソフトクリームに、ロデヴのスパイスラスク添え。うわぁぁと驚きつつも「食べないという選択肢はない」のです。

こんなごちそうの合間には、久美子さんのロデヴ話。「売り上げにはならないパンです。けれど、こういうパンを焼くと、売り上げに追われる日々のストレスが解消される。パンの作り手にとってそんなパンです」「そして、それを自信のなかった私に自分で焼いたほうがいい、と背中を押してくれたのが仁瓶さんなんです」。


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見よ、このデザート


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ロデヴはいま、フランスより日本がおいしい・・・と仁瓶さん



最後に、この日は大きなオマケが配られました。なんと、久美子さん直筆の「今日の献立のレシピ集」です。「おうちでもロデヴを美味しく食べてほしいから」という久美子さん。これ以上、ロデヴを食べ手に熱烈におすすめしてくれるお店がほかにあるでしょうか。
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レシピ片手に料理を説明する久美子さん                


一人の熱中する背中を見て、そばにいる人がその熱に呼応する。参加者の中にはリピーターの小学生もいて「いろいろなロデヴの食べ方が知れてよかった」と感想を残してくれました。さらに久美子さんがパンを教えに通っている近くの小学校には久美子先生の夢である「ロデヴを広める」応援団の4年生たちがいるとのこと。
なんと、なんと、が続いてしまうレポートとなりました。 
                          (報告: 松成容子)
posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 20:58| Comment(0) | 2019年度

2019年11月16日

パン・ド・ロデヴ「7周年記念パーティ」&「技術講習会」in 北海道

2019年10月21日(月)22日(火)

パン・ド・ロデヴ「7周年記念パーティ」&「技術講習会」in 北海道


2019年10月、上空から見下ろす北海道はまさに紅葉の真っ盛り。旭川空港から走るレンタカーのラジオからは「今年も鮭が不漁」「増えすぎた鹿と車の衝突事故、さらに多発。要注意」と北海道らしさ満杯のニュースが流れます。

そんななか、美瑛の小麦の丘の上にある元小学校を改造した「レストラン・ビブレ」で
10月21日の夕方に7周年パーティ、翌22日には当会技術顧問のブロートハイムの明石克彦さんと、ビブレのパン担当・小川久雄さんによる第41回技術講習会を開催しました。

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レストランのビブレでは毎日、夕食後のデザートに揚げロデヴのきな粉味が登場するそうです
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◆ 7周年記念パーティは「トクベツ」でした

21日、夕方5時からのアペリティフタイムは、フランス製薪窯のあるパン工房で、翌日講師の明石さんが焼いてくださったロデヴとシャンパーニュで始まります。その後、移動してレストランへ。ここは小麦の丘のレストランらしく、眼下に刈り取り後の麦畑が広がっていました。
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乾杯の発声は、「自分の店はトクベツなものを届ける店でありたい」という、北海道ミシュランで星を持ち、この店のオーナーでもある中道博シェフにお願いしました。「トクベツな思いを込めて作ったものは、人にも伝わるはず。ロデヴのパンもそうですよね」という心に残るお祝いの言葉に続いて、仁瓶さんは「自分はA社にもP社にも負けないオリジナルのパンとしてD社でこのパンを作った」と話し、明石さんは「ロデヴを全国に、と始まった会だけど、ひょっとしたら特別な存在のままのほうがいいのかもしれないと思う」と逆転の発想。そして金林さんは帝国ホテルでロデヴ販売を挫折した話を披露したあと「ホップス種の食パンと、このロデヴが作りたくて、いま、パン屋をやってます」と不屈の思いを聞かせてくれました。
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その後、料理は中道氏の指揮のもと、パテ・ド・カンパーニュ、ラタトゥユ、ピクルスに焼き野菜、特別な小麦粉で作った皮の水餃子、そして暖炉の直火で焼き上げたスペアリブまでそれぞれダイナミックなプレゼンテーションでサーヴィスされました。

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最後に、窓の外を説明してくださったのは、このビブレでフレンチの料理人を目指す若手指導の塾長である齋藤壽氏でした。「眼下の麦畑は、荒れ地だったところにひまわりや様々なものをすきこんで、5年かけてやっと今年初めて“春よ来い”の収穫まで持ってこられた。これでやっとここ“リブレ”がその言葉通り“小麦”、つまりパンの原形を追える場所になったのです」。
 この日はすでに刈り取り後でしたが、7〜8月の収穫前には青々とした麦が風にそよぐ風景が見られるとのこと。ここには宿泊施設もあるので、機会があればぜひ、ゆっくりと初夏に訪れたい場所です。
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◆さて、翌22日は第41回目の技術講習会です。
 明石さんはこの日、ロデヴのプレーン、フリュイ、オリーブに加えパン・オ・セーグル、ルバーブのタルトも披露。
いつものように「ロデヴはイーストとルヴァンの良さを生かした特別のパン」と話しながら「スープのような生地」を目指していきました。また、「セーグルの入ったパン」の2日目、3日目の応用など、お店でできる工夫もいくつもお話されました。
講習会1.jpg薪窯にパン・オ・セーグルを丹野氏とともに入れる明石氏

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パン・ド・ロデヴ フリュイ           ロデヴのいろいろ

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講評のひととき


一方、ビブレの小川さんは、「手ごねで作るお焼き風ロデヴ」と「手ごねのカンパーニュ」の2品を紹介されました。これらは今年3月にルレ・エ・シャトーのイベントで鹿児島の天空の森で実作されたもので、前者はエグヴィヴの丹野隆善氏が考案したものの再現、後者は小川氏自身が工夫したものでした。
 鹿児島のイベント会場はミキサーはじめ製パン機材も気密性の高いオーブンもない環境だったとか。そこを工夫して手ごねで弱く仕上げたロデヴの生地をマフィン型に入れて白っぽく焼き、取り出して、別に焼き込んでおいた溶岩プレートの上で上下面を焼いて仕上げるという手法。ただし、今回は溶岩プレートではなく窯の床材を直火で熱して使いました。そして、できたお焼き風ロデヴは横から二つに割り、セルヴェル・ド・カニュ(香草入りディップ)を挟んで鹿児島でのアミューズを再現してくださいました。

また、蒸気も出ず、気密性の高い窯がなかったことからカンパーニュはダッチオーブンで鍋焼きにしたとか。生地を入れた鍋に蓋をし、密閉された鍋の中に蒸発する水分を水蒸気代わりにし、ある程度蒸気がのったら焼き色を付けるために蓋を外します。今回はその再現と、直焼き(四角の大判)の2種類が紹介されました。

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手ごねを実演する小川久雄氏

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半分に割って「セルヴェル・ド・カニュ」を挟んでアミューズに  

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ビブレという小麦に縁のある場所で、パンの材料だけでなく、いまのようなオーブンのない原点に戻っての工夫。一方でブーランジェとして熟練の明石さんの技と日々営業の知恵まで学べた濃い1日は、こうして北海道の地で「トクベツ」の思い出を参加者たちに刻むことができました。
(報告:松成容子)





posted by パン・ド・ロデヴ普及委員会 at 19:04| Comment(0) | 2019年度