2019年9月30日(月曜) 京都
□第40回「パン・ド・ロデヴ技術講習会」と第56回「食べて楽しむ会」開催
京都「たま木亭」玉木潤さんの3回目となるパン・ド・ロデヴ「技術講習会」と「食べて楽しむ会」を、京都麻袋さんのラボをお借りして開催しました。なかなか講習会をされない玉木さんの会とあって、かなりの勢いで定員は埋まりました。
お店からはたくさんのスタッフの方が手伝いにきてくださり、どんどんと講習会が進められます。


ミキサーの周りに集まって捏ね加減を確認する参加者
玉木さんは丁寧にロデヴの工程について説明し、実演しながら、
「食事パンは、売れないからといって諦めるようなら、焼かないほうがいい。覚悟を持って望む必要がある」と繰り返されていたのが印象的でした。パン・ド・ロデヴの他にも、ラム酒に浸けたレーズンとくるみ、いちじくを使ったドライフルーツ入り、さらにロデヴ生地にラードを練り込んだあんパンや、前日考えたというシナモンパンのバリエーションも紹介されました。




パンが焼きあがったら、いよいよ午後からは食べて楽しむ会です。
午前中の参加者に加えてたくさんのお客様が見えて、総勢50名を超える賑やかな「食べて楽しむ会」がスタートしました。
今回も京都「リンデンバーム」吉田シェフが来て下さり、ココット鍋いっぱいのテリーヌ、プルドポーク、ヴィッテロ・トンナート(仔牛のツナソース)などのパンに合う料理が振る舞われました。アルザスのベッコフ(お肉3種と白ワインの煮込み)が大人気です。パン生地をココット鍋の周りにぐるっと貼って密閉し、オーヴンで焼いて仕上げるので、パンの講習会にはこれ以上ないぴったりの料理です。




チーズはロデヴ近くのブルー・デ・コースをご用意しました。
食事の後のミニセミナーには、玉木さんと、大阪の人気店、豊中「ア・ビアント」松尾清史シェフもお迎えして、トークショーを行いました。
テーマは「自分らしいパン屋の貫き方」。時短や働き方改革が進められ、店の経営という意味ではなかなかにしんどい時代、どうやって繁盛店を作られているのかをお伺いしました。たま木亭はいまや店休日が週に3日(スタッフは週休2日)となり、見事に働き方改革が進められています。年月を経て、無理をしすぎずに自分のパンを焼けるようになってきた昨今の様子を、ユーモアを交え、それぞれの方が本音でお話くださいました。
また玉木さんは、自店が働いてくれる若い人たちにとって何か得るもののある店であるよう常に念頭におき、自分は技術や経営についてもっと「伝える力」を磨いていかねばならないと話されました。
最後には、たま木亭のスタッフの方々がずらりと並ばれ、一言ずつのご挨拶。このような機会によって日常にないことが勉強できたこと、そして日頃聞けない玉木さんの思いを聞けたことがうれしかったと、幾人かの人が話されていました。
写真(冒頭白黒):ドンク ゆめタウン姫路店
伊藤まゆみさん提供
報告・写真 : 塚本有紀