リアル「技術講習会」と「食べて楽しむ会」
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2022年5月17日(火曜)
ついにこの日が来ました! コロナ禍で苦しんでいた日々から2年。やっとリアルの会が実現できました。しかし、今年はなんとロデヴ最終年の10年目。仁瓶さんの講習会もいよいよ最終回となりました。
実現の会場は、静岡県焼津市のイタリアン「パエザーノ」さん。薪窯のある店舗です。この地で20年以上イタリア仕込みの本格ピッツァを焼き、窯の残り熱でおいしーーいお料理を作り上げてきた坂下朋憲シェフと仁瓶さんのご縁で実現しました。
ただ、設備には店舗ゆえの限界もあり、前日から準備したバゲットはワインセラーの中でオーバーナイト、技術講習会スタート時にはすでにロデヴの生地は仕込み済み。「仕込みから見られなくて残念!」の声を受けながらも、仁瓶さんと坂下さんのベテラン二人は焼成のタイミングに緊張の顔つきです。窯の石床の上でメラメラと薪を燃やし、ここぞ、というタイミングで薪を片付けパン生地を置く。「ここから先は窯の中の温度が下がっていくのと、パン生地の窯伸びのタイミングがどう折り合うかだ。昨日はうまくいかなくてね」。電気やガスのようにメーター一つで管理できない設備でパンを焼く難しさ。さすがに窯を任された坂下シェフはドキドキしたとおっしゃいます。
それでも、なんとこの日は大成功! 坂下さんも仁瓶さんも会心の笑顔で次々とパンが窯から出てきました。
続いて食べる会では、ロデヴのほかに仁瓶さん定番のリュスティック、バゲット、さらには別のところで焼いて持ち込んだブリオッシュなど、「最後だから」と心のこもったパン三昧。
一方、この日の料理担当の坂下さんからは「きょうは、パンを主役にするイタリアンを考えました」と素材の味を生かすため、捨て窯の熱で何時間もかけて焼いたパプリカやズッキーニのトマト煮、さらにはエリンギのオリーヴ煮(アヒージョ)、それにソーセージやポテトと、滋味あふれる料理が次々と。みんなきれいに平らげてしまいました。
右上はソラマメとカシューナッツと
リコッタのサラダ。春らしさ満載でした
お腹が一息つくと、今度は「静岡創作珈琲工房」の内田一也さんによる図説コーヒーセミナー。「皆さんがコクだとおっしゃってるのは、ほぼ汚れです」の言葉に、みんな唖然。そのあとエチオピア、コロンビア、コスタリカと産地による味の違いを体験させてもらい、コーヒーの楽しみ方を深めたのでした。
あっという間の3時間。
「ロデヴは高加水がウリではなく、成形しないのが面白いんだ」
「ロデヴはルヴァンとパン酵母のいいとこ取り製法」
「国産小麦というだけで、バゲットは美味しく焼けないよ」
いつもの仁瓶さんの主張は正しく届いたでしょうか。
10年間、これを受け止めてくださった方々の今後に期待したいところです。
仁瓶さん、ほんとうに10年間、会場設定から当日の主演まで、お疲れ様でございました。
最後には坂下さんと当会事務局2人からお礼の花束を贈呈し、会はお開きとなりました。


(報告 松成 容子)
「パンの学舎」古賀充さんにも取材していただきました。
記事はこちら
https://pan-manabiya.com/パン・ド・ロデヴ普及委員会-技術講習会/
ぜひご覧ください!