2018年9月11日 東京の会
第34回技術講習会と第48回「食べて楽しむ会」

いよいよパン・ド・ロデヴ普及員委員会も7年目に突入し、2018年度初の講習会と食べる会が行われました。年度初めの講師はいつも通り仁瓶利夫さん(アトリエ・ドゥブテイユ)、場所は新宿のカネカ食品株式会社のラボです。首都圏はもちろん、愛知、岐阜、富山などからもたくさんの参加者がお見えになりました。


講習会ではカネカ食品の山ア隆二さんはじめスタッフの方々のサポートを得て、パン・ド・ロデヴ、フリュイ、パン・リュスティック、1930年代のバゲット、さらに少量ルヴァンのパンなど、彩り豊かにたくさんのパンが次々に焼き上げられました。





「日頃の自分のやり方が正しいかどうか、1年に一回、確認するための貴重な会です」と話されるパン屋さんの姿が印象的でした。


また恒例の講習会参加者のお楽しみ、絶品ゼッポリーニ(オリーヴ油による揚げロデヴ)としては、きな粉まぶしの他に、山アさん考案の九州のお醤油を回しかけたものも初登場! 揚げロデヴに甘味のある醤油の風味がマッチして、えもいわれぬおいしさを醸し出しています。
「パンの中には、何が入っていると思う?」
「夢と希望が詰まってる!」
と仁瓶さん。
午後からは食べて楽しむ会です。


仁瓶さんのパンに合わせて、京都「リンデンバーム」吉田シェフのシャルキュトリが届いています。テリーヌ、ハム類、プルド・ポーク、ソーセージに合わせて、野菜の和え物とオクラの昆布締めを作ってくださったのは高岡の鍋谷安津子さん・今井武文さんご夫妻。前日の準備から当日の盛りつけ、采配まですべて担当してくださいました。なごみのおいしさがシャルキュトリに寄り添い、いっそうパンが進みました。

また贅沢にも、静岡の「創作珈琲工房くれあーる」からは村松亜紀子さんがおいしいコーヒーを淹れに来てくださいました。

じつは1週間前の9月4日には大阪で吉川崇さん(ラ バゲットドパリ ヨシカワ)の講習会と食べる会が予定されていましたが、あいにくの台風21号の到来でキャンセルになりました。7月から旬の杏やスモモのジャムを作り、吉田シェフからの提案でテリーヌに合わせるカンバーランドソースを仕込み、一番良い時期のパイナップルを使って・・・と、食べる会とセミナー用に10種類を超えるジャムを準備していましたが、これをそのままこちらに流用。みなさんに食べた助けをしていただきました。9月4日のイベントが流れたことはとても残念でしたが、次回はぜひまたみなさまにご賞味いただけますよう。

フランスパンのセミナーに熱心に耳を傾ける参加者。今回は重点的にロデヴの内相についての考察がなされました。

セミナーの後には、参加者に自己紹介をお願いしました。「仕事を休んできたけれど、仁瓶さんのロデヴは剛速球のドストライクでした!」と話す方。「今日のパンは、送られてきたチラシで見た以上のパンでした。写真以上のパンに出会ったのは初めて!」と話す方もありました。パン好きのコミュニティを主宰する方は「これまで焼き過ぎのパンを『おいしい』、団子状を『もっちり』だと思っていた。発信する者として、しっかりと正しい基準について考えていきたい」と話されました。それぞれの方がそれぞれのおいしいロデヴについて考えていただける機会になったことと思います。
最後にカネカさんより、最近発売になった牛乳とバター(ベルギー産と国産)のサンプルが参加者に配られ、お土産のパンとともにお持ち帰りいただきました。なおいっそうおいしい時間をご自宅でもお持ちいただくことができたことでしょう。
今回もたくさんの方々のご協力で、会はなごやかな盛り上がりのうちに終了できました。どうもありがとうございました。
(報告:塚本有紀 写真一部提供:森田圭二さん