講師は3年ぶりとなる京都「たま木亭」の玉木潤氏。そして当会技術顧問の仁瓶利夫氏もゲストでかけつけました。
参加受付当日にほぼ満席状態、という人気を博する玉木氏。
朝9時から始まった技術講習会では、その玉木氏の技術を自分の目で確かめたいと意欲的な参加者のみなさんに、玉木氏は限られた時間の中で、技術のみならず、経営という面からの貴重なお話もしてくださいました。
玉木氏ならではの味のしっかりした、旨味が押し寄せてくるようなパン・ド・ロデヴ。
ずらっと並んださまは圧巻です。
ロデヴのバリエーションとしてマンダリンオレンジとクルミを加えたフリュイ。少し大きめにカットされたオレンジがロデヴの生地と好相性でたまらない美味しさです。
また、ロデヴの生地をクロワッサン生地に張り付けたクーニャマンは、バリッと音がするほどパリパリの食感に驚かされます!
さらにもう1つ披露してくださったのが、クロワッサン生地の上にロデヴの生地を重ね、さらにくるみをふんだんにのせて平らに伸ばした菓子タイプのもの。

「ロデヴはたくさん仕込んだほうがおいしい。しかしそれだけにならないように、その生地を派生させる。すると、無駄がなくなると同時に相乗効果でさらにおいしいものを作り出すことに繋がる」と玉木氏は話されました。
参加者のみなさんも、そのアイデアの斬新さとおいしさに感嘆の声を上げずにはいられない様子でした。
午後からは気温の上昇をものともせず、参加人数も増えてスタッフ含め総勢57名で「食べて楽しむ会」が始まりました。
前日にモンゴルから帰国したばかりの松成理事も、スーツケースを手に駆け付けてみなさんにご挨拶。
今回、玉木シェフのロデヴに合わせたお料理を用意してくださったのは京都のシャルキュトリー リンデンバウム、吉田英明シェフです。
ハム、パテ、リエット
また、フランスの古い地方料理の本から再現したという、エスカルゴとハム、ホウレンソウなどを煮込んだエスカルゴのロデヴ地方風という珍しい料理もふるまわれました。
食べ進めるほどに美味しさを感じられる一品として、ジャガイモの代わりにロデヴをおろして使ったブランダード。
どれもこれも美味しすぎて、さらにロデヴがすすんでしまいます。
今回の目玉は、吉田シェフによる「パン屋さんで作れるリエットとテリーヌ・ド・カンパーニュ」講座です。経験豊かなプロならではの説明の後には、熱心なみなさんから質問が飛び交っていました。
会の終了後、残された「作り手の思いとは、パンのうまみに比例するものだと」感じた」、また「天才玉木さん、と呼ばれる理由を実感した」などの、みなさんからの感想を通して、改めて玉木さんの偉大さを再確認した一日でした。
今回、会場をご提供くださった株式会社京都麻袋のみなさま、パンや料理に合うジャワティーをご提供くださった大塚食品さま、準備等ご協力くださいましたみなさまのご協力のもとに素晴らしい会となりましたこと、厚くお礼を申し上げます。
(報告:有吉能子)